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いしかわ文化の日 文化施設を巡り歩く

      2021/10/31

石川県では毎年10月の第3日曜日を「いしかわ文化の日」として、県内の多数の文化施設で県民の入場が無料になります。この機会にいくつかの施設を回ろうと毎年思っていながらなかなか行けずにいましたが、今年ようやく実行に移すことができました。コロナ禍の1年でしたがちょうど感染者が激減した良いタイミングになりました。

朝9時前に卯辰山の眺望の丘に駐車。花菖蒲園を通り天神橋を渡って材木町の住宅街を迷いながらなんとか兼六園下へ。

浅野川天神橋

紺屋坂を上がって桂坂口から兼六園に入りました。紺屋坂の土産物屋さんには金箔を貼り付けたソフトクリームを出すお店が数軒。話には聞くがまだ食べたことはないし、特段食べたいとも思わない。ただどんな味がするのか気にならなくもないが。金箔って味はしないのかな?

数年振りの兼六園はまだ観光客もまばら。本当はもっとじっくり見て回ればいいんだろうけど、今日はメインの目的地である本多の森に向けて通り抜けに使わせてもらった感じ。昔、まだ兼六園が有料化になる前はこんなふうに気楽に歩けたのを思い出す。

兼六園霞ヶ池

霞ヶ池の畔を歩いていると鯉が多数集まってきている。餌をねだるように丸い口を水面から突き出しているが、よく見るとなんだか人の顔のように見える鯉が。30年ほど前に一世を風靡した人面魚が兼六園にもいたとは!

 

この後は金沢神社、金城霊沢を経て石川県立美術館へ。ここへは以前パティシエ辻口博啓さんのお店「ル・ミュゼ・ドゥ・アッシュ」へお茶を飲みに来たことがあるだけで、展示品を見るのは今回が初めてです。

石川県立美術館

 

2階の展示室でこの期間に開催されているのは「没後50年 木村珪二」、「近現代絵画・彫刻 優品選」、「古九谷と再興九谷」、「百工比照」、「壺中日月長 大樋陶冶斎のまなざし」など。一時間ほどで鑑賞してきましたが、個人的には思いがけず鴨居玲の絵画を見ることができたのが良かったです。あの暗さ、いいですね。

次にお隣の国立工芸館に向かったのですが、こちらは基本的に予約が必要ということで、入り口で渡された整理券は12:30から入場できるもの。

国立工芸館整理券

 

まだ結構時間があるので、先に石川県立歴史博物館へ行くことに。一帯はイベント開催中ということで、今日は巨大ひゃくまんさんも来ていました。

ひゃくまんさん

 

石川県立歴史博物館へは以前から一度行ってみたいと思っていました。それは展示物の中に、円光寺住宅団地創設初期の住宅内部が再現されたコーナーがあると聞いたからです。現在の市営住宅、県営住宅に建て替える前の古い木造の建物は今も記憶に残っています。歴史博物館に再現された住宅内部の様子は、まさにThe昭和。今の若い人達から見れば前時代の遺物なのかもしれませんが、昭和41年生まれの自分にとっては全く違和感のない風景。ちょっと懐かしさを覚えました。

歴史博物館では他に、兼六園の大ジオラマ、参勤交代の長~いフィギュアの大名行列などを興味深く鑑賞しました。この博物館にはもう一度、次は空いている平日に行ってみたいと思います。

次いで同じ赤レンガミュージアムの加賀本多博物館、そして成巽閣の隣のいしかわ生活工芸ミュージアムと見て回り、12時半少し前に国立工芸館へ向かいました。

 

工芸品についての知識が全く無い私でも思わずため息が漏れるほどの美しい作品ばかりでした。展示物も素晴らしいのですが、この建物がまたいいですよね。明治時代に建てられた旧陸軍の施設とのことですが、文化施設の集まるこの一帯にとても合っていると思います。

 

この後は再び兼六園を通って、石川門から金沢城公園に入りました。数年ぶりに五十間長屋を見学。

 

お城好きだった長男が小学生の頃にあっちこっちのお城に連れて行ったことを思い出します。今の金沢城公園も決して他のお城に引けを取らないと思っていますが、谷本知事は余程の城好きでまだまだ物足りないのか、それとも他の目的があるのか分かりませんが、二の丸御殿も復元するということで工事が進められていました。

 

金沢城から尾山神社に掛かる鼠多聞橋を一度渡ってみたかったのですが、この頃からポツポツと雨が降り出し、少々疲れてきたこともあって、大手門から金沢城を出て次の目的地の寺島蔵人邸へ。

江戸期の中級武士のいわゆる武家屋敷で、往時の雰囲気がよく伝わります。見学できる室数は多くなくすぐに見終わりますが、こちらは庭園が有名なようで、座敷から見る庭園は一幅の絵のようです。ドウダンツツジの開花期や紅葉のきれいな時期に再訪できればと思います。

 

最後はついでに寄ったような感じですが、橋場町交差点の角に建つ金沢文芸館へ。外観はレトロチックな建物で、車で通る度にいいなと思っていました。元は銀行だったそうです。館内は広くなく、エレベーターで3階へ。こちらは文芸フロアとして、泉鏡花文学賞の受賞作品を集めたコーナーがあります。このコーナーにはボランティアの方がいらっしゃり、マンツーマンで色々解説してくれます。常駐されているのかは分かりません。一通り見てから2階へ。こちらは金沢五木寛之文庫として、金沢と縁の深い五木寛之さんの著作品、愛用品、記念品などの展示施設となります。この2階のみ写真撮影が禁止ということでした。氏が作家デビューしたのは金沢在住中だったんですね。

この後、車を停めた卯辰山眺望の丘へ。下りは楽でしたが、卯辰山の上りはさすがにきつい。車に戻ったときはもうヘロヘロに。2~3日は影響が出そうです。普段からもう少し体を鍛えておかなければと痛感したのでした。

 

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